【解決実績⑥】高次脳機能障害〘専門医のご紹介と適切な賠償金の獲得〙

既に後遺障害診断書が作成されていたものの、後遺症が正確に記載されておらず、また必要な検査が未了だった事案において、高次脳機能障害に精通した医療機関をご紹介の上、再検査の実施と後遺障害診断書を再作成していただき、自賠責保険での後遺障害等級2級1号の認定と示談交渉にて十分な賠償金を獲得できました。

①事案の概要
ご本人様は脳外傷という重傷を負われ、後遺症の影響により施設での生活を余儀なくされていたにもかかわらず、作成済みの後遺障害診断書の自覚症状欄には『なし』との記載がなされていた事案において、高次脳機能障害に精通した医療機関のご紹介と当該医療機関での再検査、及び新たに後遺障害診断書をご作成いただき、ご家族にも満足していただける事件解決が図れた事案です。
②事故態様 人対自動車
③お怪我の内容 顔面部挫創など
④ご依頼前に認定された後遺障害等級 ー
⑤症状固定の際の医師面談 有り
⑥ご依頼後に認定された後遺障害等級 2級1号
⑦後遺障害の内容 見当識障害、記憶障害などの高次脳機能障害
⑧任保険会社からの提示額 ご依頼前:ー
⑨獲得した賠償金(自賠責保険金、示談金) 5000万円
⑩事件処理のご依頼時期 治療先医療機関にて後遺障害診断書の作成後。
⑪事件解決の経過とポイント
被害者様(ご本人様)は、ご高齢でお一人暮らしをされていた方ですが、歩行中に加害者の自動車に跳ねられ、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、脳挫傷、びまん性軸索損傷等の重い頭部外傷を負われていました。そして、ご家族が、今後の示談交渉をご依頼される法律事務所を探すために、入院先の医療機関様にてご作成いただいた後遺障害診断書をご持参され、当事務所にお越しいただけましたが、その時点で複数の事務所に相談をされているとの事でした。作成済みの後遺障害診断書を示されましたので、私の方で、その記載内容をご確認させていただきましたところ、ご本人様が上記のとおり重い脳外傷を負い、退院の目途が全く立たないにも関わらず、ご作成されたドクターの専門領域では無かったためか、自覚症状欄には、『なし。』との記載と、それ以外には、長谷川式認知症スケールの点数が記載されているだけで、高次脳機能障害を適切に評価するための各種神経心理学的検査が実施されていないようでした。このような内容の後遺障害診断書を自賠責保険に提出した場合、残存しているはずの高次脳機能障害に対して、適切な後遺障害等級を受けることが期待できず、考えられる最悪のケースでは、ご本人様がご高齢の事もあり、証拠上、脳外傷の後遺障害が残存していない(非該当)との認定となったり、脳挫傷痕に関しての12級に留まることが十分に考えられました。ご家族からお話を伺いましたところ、当時の診ていただいていた医療機関様では、脳神経外科を取り扱っておられたようですが、脳外傷が専門領域外だったためか、率直に申し上げて、後遺障害診断書の記載に不足があると言わざるを得ない状況にありました。そのことを相談に来られたご家族にご説明しましたところ、いろいろな事務所にご相談したものの、当事務所にご依頼されたいとのことでした。ご依頼後、当職から、脳外傷に精通した医療機関様をご紹介させて頂き、当該医療機関様にて、高次脳機能障害を正確に評価するための各種神経心理学的検査の実施と新たに後遺障害診断書をご作成いただきました。その後、自賠責保険にて、後遺障害等級2級1号が認定され、この認定結果を元に示談交渉を行いました結果、ご家族にもご満足いただける内容で解決することが出来ました。

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