交通事故に強い法律事務所(弁護士)を探す方法としましては、知り合いに紹介してもらう、インターネット等の情報ツールを利用して探す等の方法が考えられますが、事件処理をご依頼される弁護士とは、一般的に長期にわたって、関わっていかなくてはなりません。
また、弁護士の能力(知識、分析力、交渉力、探求力、事件処理の相場観など)・経験・やる気によって、依頼者様の獲得できる成果も変わってきます。
そのため、ご相談者様自身が、実際に弁護士にお会いしてみて、様々な相談を行い、「この弁護士さんの説明が分かり易く納得できる、この弁護士さんを信用できる、この弁護士さんに事件処理を委ねたい。」という印象を持てた弁護士に、事件処理をご依頼されるべきです。
交通事故に関するご相談、事件処理のご依頼を検討される場合、パソコンやスマートフォンをご利用される方は、インターネット検索を行うことが多いと思います。
この場合、“交通事故に強い、詳しい、実績あり”など、積極的に交通事故に関する法律事務所の広告が多数表示され、ご相談や事件処理のご依頼をご検討されている方からすると、どの事務所に相談を行い、事件処理の依頼をしたら良いのか悩むことがあるかもしれません。
そこで、恐縮ですが、弁護士である私がお勧めさせていただく被害者側交通事故の事件処理のご依頼を検討する法律事務所の選び方をご説明させていただきます。
このページの目次
時間の許す限り、複数の法律事務所に相談していただき、信頼のできる、または自分のフィーリングに合う弁護士に事件処理をご依頼しましょう。
複数の弁護士にご相談されることによって、事件処理の流れなど様々なことの理解が深まり、また、より自分に合った弁護士に事件処理をご依頼できる機会が得られると思います。
事件処理の見通しについて質問してみましょう。
事件処理の見通しとしましては
- 治療段階で注意すべきこと
- 受けておいた方が良い検査等はあるか。
- 通院交通費などの費用はどうなるのか。
- 後遺障害が残存する可能性があるのか。
- 後遺障害残存の可能性があるとして症状固定時期はいつ頃なのか。
- どの医療機関で症状固定すべきか。
- 症状固定の際に、主治医との面談をしてもらえるのか。
- 自賠責保険で認定される可能性のある後遺障害等級と認定の時期
- 示談交渉の開始時期
- 過失相殺についての見解
- 訴訟の可能性
・訴訟(裁判)での解決が必要となってくるのか。 - 利用可能な自動車保険・社会保障制度(労災保険)について
・健康保険を利用して治療をすべきか。
・労災保険を利用出来るのか、利用した場合、加害者に対する損害賠償(示談交渉)はどうなるのか。 - その他の注意点
など、いろいろなことをご質問されたら良いと思います。交通事故の処理に慣れた弁護士や後遺障害に精通した弁護士の場合、具体的な説明をしてくれるはずですので、この点を確認してみていただければと思います。
特にご注意していただきたい点
人柄的にもフィーリング的にも合う弁護士であったとしても、以下の事項をご理解されていない場合は、依頼者様の獲得できる賠償額そのものが小さくなってしまうリスクが考えられます。
- 後遺障害の内容や認定基準について具体的に説明してもらえるかどうか。
→担当弁護士が、後遺障害の内容を理解していないと、適切な後遺障害等級が認定されない可能性があります(賠償額は低額化します。)。 - 後遺障害診断(症状固定)の際に医師面談をしてもらえるのかどうか。
→後遺障害診断書の記載内容はとても重要ですので、主治医に任せっきりにするのはお勧め致しません。 - 後遺障害診断書の記載内容をチェックしてもらえるのかどうか。
→適切な後遺障害診断書の記載となっているかどうかはとても重要です。記載内容によって、自賠責保険において、認定される後遺障害等級が変わってくるケースがあります。 - 後遺障害診断書に記載の不備、漏れがあった場合、医療機関側に対して、何か対処してもらえるのか。
- 過失相殺はどのようにして判断していくのか。
→過失相殺の内容によって、依頼者様の受領できる賠償額は大きく左右されます。交通事故事件処理に慣れた弁護士の場合、必要な資料等を例示して、具体的に説明できるはずです。 - ある程度の交通事故の賠償請求に関する示談交渉、訴訟対応の実績があるのかどうか。
説明が分かりやすいかどうか
弁護士とフィーリングが合う合わないの問題もありますが、分かりやすい説明をしてもらえる弁護士の方が安心して、事件処理をご依頼できるかと思います。
また、一般人である依頼者様に対して、ごく分かりやすい説明が出来るということは、その分野に精通していることの一つの現れと思われます。
メリット以外にデメリットも説明してくれるかどうか
ご依頼を検討されている方にとって、事件処理のメリット以外に、デメリットに関する説明もとても重要となってきます。
そのため、弁護士にご相談された場合、デメリットについても、なぜ、そのようなデメリットがあるのか分かりやすく説明してもらえるか確認していただければと思います。
事件処理をご依頼された場合にどの弁護士が担当してくれるのか確認しましょう
数多くの解決実績を標榜している大型事務所の場合、多数の弁護士が所属しているものの、全ての弁護士が、交通事故に関して、十分な能力・経験を有しているかどうかは実際のところ分からないと思います。
そのため、事件処理をご依頼された場合、どの弁護士が実際に事件処理を担当してもらえるのか確認し、実際に様々なご相談をされておく方が良いと思います。
きちんと委任契約書を作成してもらえるかどうか
弁護士の義務として、事件処理のご依頼をいただいた場合、委任契約書を作成しなくてはならない決まりとなっています。
もし、ご依頼の際、委任契約書の作成の話が全くない法律事務所だとしましたら、ご依頼されない方が無難だと思われます。
相談者様への態度について
相談者様へ、横柄な態度を取るような弁護士はいないと思われますが、もし、おられるようでしたら、ご依頼後も不快な思いをされるでしょうから、ご依頼はやめておきましょう。
また、もし弁護士とは異なる事務担当者が法律相談を担当しているような場合も、ご依頼はやめるべきだと考えます。
まとめ
交通事故の事件処理をどの弁護士にご依頼されるかは、依頼者様の獲得できる成果、事件処理に関する満足度の関係から、とても重要です。
そのため、時間の許す限り、複数の弁護士にご相談していただき、ご自身が最も信頼できると思われた弁護士に事件処理をご依頼していただければと思います。